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RESEARCH in KYRGYZSTAN

世界で初めて捉えた、

野生ユキヒョウの水飲み映像。

それにより、

ユキヒョウは餌動物とは

水分摂取の戦略が異なることが示唆されました。

国際論文で発表した、

研究成果についてご紹介します。

研究概要

高山にくらすユキヒョウ。冬場は雪を食べることで水分を摂取すると考えられていました。しかし、雪を食べると体内で氷を溶かすのにエネルギーを必要とします。そのため、冬季の高山では、水分摂取の戦略は動物種ごとに異なる可能性があります。


今回、世界で初めて捉えた野生ユキヒョウの水飲み映像から、ユキヒョウは餌動物とは水分摂取の戦略が異なることが示唆されました。本研究成果は、ユキヒョウの生態研究や保全策の計画に重要な視点を与えることが期待されます。​

 

論文(Kikuchi et al., 2020)の詳細はこちら

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水を飲むユキヒョウ

水を飲んだ直後に別のカメラで、親仔でじゃれあう様子も記録されていました。親仔で川を訪れていたのですね。体の模様から、調査する自然保護区に度々現れていた親仔と判明しました。

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​保護区としての存在意義

実はこの親仔、2018年1月に確認された後に、母親以外は姿を見せていませんでした。高山の厳しい環境、餌が少なくなる冬を越すのは厳しかったのかと思われました。しかし、調査を続けた結果、2019年3月にこの親仔はこの地で無事に越冬できたことがわかりました。この時はおそらく1歳半ぐらいになります。

この親仔の映像は、単に珍しいシーンというだけではなく、この自然保護区がユキヒョウの繁殖に必要な環境を備えていることを意味し、保全活動の成果と保護区としての存在意義を示してくれました。

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これからも

私たちが調査するこの自然保護区は、2015年までは狩猟が合法化されていました。現地NGOの努力によって、この地は自然保護区となり、ユキヒョウの姿が記録されるようになりました。しかし、未だに密猟者が摘発されており、予断を許さない状況です。根気よく調査研究を続けることは、ユキヒョウを含めた、この地の貴重な自然の保全につながります。

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